日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
高層免震建物における既設ネットワークを利用した高密度振動観測システムとデータの利活用
西川 貴文紺野 克昭藤野 陽三中山 雅哉
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2014 年 14 巻 2 号 p. 2_1-2_15

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抄録

多数のセンサによるモニタリングを実現するためのネットワーク同期型地震計を開発し、高密度振動観測システムを構築して、高層免震建物に実装した。本文では、システムの構成・特長と、観測データの利活用方法を提案するとともに、実測記録を例示しながらシステムの有意性を論じた。実環境と同等のネットワーク構成である試験環境におけるシステムの時刻同期誤差は最大でも4ミリ秒程度であり、対象建物の振動特性に対して十分に高い精度が確認された。システムの実装後は安定して地震記録が継続されており、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の加速度記録からは、高密度な地震計配置と高精度な時刻同期により、層間変位の分布が推定できることが示された。

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© 2014 一般社団法人 日本地震工学会
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