日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
プレート境界巨大地震の地震動距離減衰特性
―伝播特性に着目した検討―
司 宏俊纐纈 一起三宅 弘恵
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2016 年 16 巻 1 号 p. 1_96-1_105

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抄録

2011年Mw 9.1東北地方太平洋沖地震などの観測記録から、海溝型巨大地震の地震動距離減衰特性においては、距離の定義によって、既存の地震動予測式と観測記録の適合が大きく異なることが分かってきた。本稿では、断層最短距離と等価震源距離を用いた結果の違いに注目して、海溝型巨大地震の地震動距離減衰特性に含まれる伝播特性の影響に関して検討を行った。その結果、(1) 断層最短距離を用いる場合Mw 9クラスの東北地震による地震動最大値の平均的強さはMw 8クラスのそれと同程度であり、Mwに対する飽和現象が見られることが分かった。一方、等価震源距離を用いる場合、同様な現象は確認できなかった。(2) Mw 9クラスの巨大地震の場合等価震源距離の断層最短距離に対する比率は近距離においてMw 8クラスのそれより数倍大きくなることが分かった。この違いには断層最短距離において近距離やマグニチュードに対する飽和の影響が含まれているとみられる。(3) Mw 9クラスの超巨大地震の場合、断層面上のすべり分布によって近距離における等価震源距離の推定値が大きく変動することもあることが分かった。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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