日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
論文
上町断層帯地震による地盤変動に伴う東部大阪の氾濫リスクへの影響
江原 竜二河田 惠昭林 能成
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2016 年 16 巻 10 号 p. 10_51-10_68

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抄録

上町断層帯を震源とする地震によって発生する広域的な地盤変動に伴う、東部大阪の氾濫リスクにつながるハザードを示す。まず、地盤を均質な半無限弾性媒質と仮定し、既往の調査・研究成果から矩形断層モデルと断層パラメータを設定した上で、Okadaの式1)(ディスロケーションモデル)に基づき、媒質中の矩形断層のくいちがいによって生じる地表面の鉛直方向の変動量を、数値シミュレーションによって求める。次に、上町断層帯の1回の活動に伴う、東部大阪の地盤変動の傾向を把握する。ここで、大阪平野を構成する洪積粘土層であるMa12層とMa10層の堆積状況に着目し、同地層が堆積し始めた年代以降の、断層の推定活動回数に基づいて求めた地盤変動量を分析する。その結果、東部大阪において、両地層の堆積年代間の傾動速度がシミュレーションと相関することを示す。その上で、上町断層帯の1回の活動による広域的な地盤変動が、東部大阪の河川の逆勾配化という、流域の氾濫リスクにつながるハザードとなることを明らかにする。

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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