本論では,実存する3階建てスチールハウスを対象として,2009年より実施してきている地震観測で得られた観測記録に基づき,対象建物の地震時応答性状について詳細な分析を行った.また,最近実施した対象建物の常時微動計測結果との比較により,微動時と地震時での振動性状の比較を行った.その結果,地震や経年変化の影響と考えられる固有振動数の低下,減衰定数の増加が認められた.加えて,1地震中でも特に振幅が大きい時間帯で固有振動数が低下しその後回復すること,微動レベルでは,地震時に比べて,固有振動数は高い一方で,減衰定数は若干小さくなっていること等が明らかとなった.