2025 年 25 巻 9 号 p. 9_42-9_55
内陸地震の地表断層変位分布をベル型関数の重ね合わせによってモデル化する手法を提案した.鉛直横ずれ断層型で,高応力降下量域としてのSMGAと背景領域からなる震源モデルによる動的破壊シミュレーションに基づき,SMGAの個数および深さと,提案手法によって地表断層変位分布を分解して得られたベル型関数の特徴には対応関係が見られることが分かった.さらに,2016年熊本地震の地表断層変位分布が,提案した手法により日奈久断層は単一,布田川断層は2つのベル型関数に分解でき,各ベル型関数とSMGAの数に対応関係があることを明らかにした.動的破壊シミュレーション,および実地震の分析結果から,地表断層変位分布を分解することでSMGAの適切な配置を評価できる可能性を示した.