教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
学校環境の違いによって教師役割はいかに異なるのか?
校区の社会経済的背景に着目しながら
中村 瑛仁
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 22 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

本研究では、学校環境の一つとして教師が勤務する校区の社会経済的背景(SES)に注目し、社会経済的に困難な家庭環境の子どもが多い学校の学校環境とそこで観察される教師役割の特徴を明らかにすることを目的とする。分析では教師20名へのインタビューデータとTALISの二次データを用いて、SESの厳しい学校の学校環境と教師役割の特徴を吟味した結果、学校環境によって要請される教師役割として、「学級の荒れを統制する役割」「学習意欲の喚起とケアの役割」「保護者との関係を構築する役割」が、他方で教師たちが主体的に獲得する役割として「しんどい子を包摂する役割」「荒れに対向する協働的役割」が観察された。校区のSESによって顕在化する教師役割の内実は異なっており、教師たちは要請される教師役割に対応しつつ、他方で自ら積極的に教師役割を獲得することで、厳しい学校環境に適応しながら勤務校での働きがいを見出していた。

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© 2019 日本教師学学会
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