2007 年 27 巻 1 号 p. 119-122
腸重積が原因で消化管穿孔をきたし, 腹膜炎で発症した回腸炎症性類線維性ポリープ (inflammtory fibroid polyp ; IFP) の1例を経験したので報告する。症例は86歳・女性で, 突然の腹痛により発症した。腹部CTで遊離ガス像と腸管内腫瘤像を認め, 腸管穿孔による腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。回腸末端から60cm口側で, 腸管内の弾性軟の腫瘤が先進部となった回腸回腸型の腸重積を認め, 穿孔を伴っていた。腫瘤を含め, 回腸部分切除を施行した。頂部に粘膜欠損がある3cm大の有茎性ポリープを認めた。病理組織学的所見で粘膜下層を中心に, 線維芽細胞, 膠原線維, 小血管の増生と炎症細胞の浸潤像がみられ, IFPと診断した。