日本腹部救急医学会雑誌
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原著
急性腹症に対する画像診断の有用性・妥当性の検討
境 雄大須藤 泰裕
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2007 年 27 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

‹目的› 急性腹症における画像診断の有用性・妥当性を検討した。‹対象・方法› 急性腹症61例の入院時画像診断を後方視的に検討した。単純X線検査を基本として, X線のみ施行 (X-P群) 11例, 超音波検査施行 (US群) 12例, CT施行 (CT群) 14例, CTと超音波検査施行 (US/CT群) 24例に分類, 各群の疾患を検討した。さらに疾患別に腸閉塞群20例, 急性虫垂炎および鑑別すべき疾患群 (虫垂炎群) 35例, 消化管穿孔 (穿孔群) 6例を分類し, 画像診断の施行状況と診断の統計学的評価を行った。 ‹結果› 腸閉塞, 消化管穿孔ではX線とCT, 急性虫垂炎ではUSが重視されていた。腸閉塞群, 虫垂炎群, 穿孔群の正診率は各々95.0%, 88.6%, 100%であった。 ‹考察› 今後, 前方視的検討を要するが, 自験例の検討では腸閉塞, 消化管穿孔でCTが有用である可能性が示された。虫垂炎の診断にはUSが有用と思われたが, 鑑別困難な症例ではCTを積極的に施行すべきである。

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© 2007 日本腹部救急医学会
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