日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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原著
小児腹部外傷診断の指標
―どのような検査が有益か―
村守 克己近藤 剛財前 善雄津野 信輔
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キーワード: 小児腹部外傷, 身体所見
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2007 年 27 巻 5 号 p. 679-684

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抄録
小児腹部外傷症例での臓器損傷の有無を診断する際, 初診時の身体所見, 血液検査, 画像検査のうち, 何が有益であるかを検討した。当院に入院・精査となった小児腹部外傷症例43例を, 腹部実質臓器損傷および後腹膜や腹壁の血腫, 腹腔内出血を含めた臓器損傷群23例と非臓器損傷群20例に分け, 腹部身体所見と白血球数, ヘモグロビン, ヘマトクリット, AST, ALTでそれぞれ比較検討した。腹部身体所見では2群間に統計上有意な差は認めなかったが, ヘマトクリット, AST, ALTに有意な差が認められた。特にAST, ALTでは, 肝以外の臓器損傷例でも上昇が認められた症例があり, 初期のスクリーニング検査項目として有益と考えられた。また臓器損傷の有無に対する画像診断ではCT検査が感度, 特異度の点でエコー検査より優れていると考えられ, 体表面の観察のみからでは予測の困難な, 体腔内の損傷が疑わしい症例では, 小児でも積極的に行うべきと考えられた。
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© 2007 日本腹部救急医学会
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