日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
至近距離より発射された散弾銃による腹部銃創の1例
藤井 幸治高橋 直樹熊本 幸司松本 英一高橋 幸二宮原 成樹楠田 司村林 紘二
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2008 年 28 巻 6 号 p. 833-837

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抄録

58歳,男性。散弾銃が至近距離から患者の左腰部に命中し,受傷約2.5時間後に当院に搬送された。顔面蒼白であるも意識清明。血圧130/70mmHg,脈拍66/minであった。左腰部に径4cmの射入口を,右側腹部に4ヵ所の射出口と2個の弾丸を認めた。L2以下の知覚鈍麻と下半身麻痺を認めた。CTにて左腰部から右側腹部に銃創を認め,弾丸貫通による腰椎粉砕骨折,さらに腹腔内に腹水およびfree airを認めた。救急搬送約80分後に緊急開腹術を施行した。十二指腸下行脚に1ヵ所,回腸に5ヵ所の穿孔部を認め,回結腸動脈が断裂していた。腰椎を貫通した弾丸は下大静脈と右尿管の間を通過しており大血管損傷は免れていた。回盲部切除,十二指腸穿孔部閉鎖,胃空腸バイパス,腹腔内洗浄ドレナージ術を施行し,皮下の弾丸を2個摘出後,左腰部射入口を洗浄,閉創した。下半身麻痺のため,術後33日目にリハビリ目的に整形外科に転科となった。

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© 2008 日本腹部救急医学会
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