2008 年 28 巻 6 号 p. 839-841
症例は89歳,女性。1966年,直腸癌に対して腹会陰式直腸切断術を施行された。以前より人工肛門部に膨隆を自覚していたが放置していた。2006年8月,腹痛,嘔気,嘔吐を主訴に当院へ救急搬送された。人工肛門周囲に固い腫瘤を触知し,同部に圧痛を認めた。ストーマ旁ヘルニア嵌頓の診断にて緊急手術を施行した。約3cmのヘルニア門から小腸が脱出し絞扼壊死しており,小腸を約50cm切除した。ヘルニア門は直接縫合閉鎖にて修復した。術後経過は良好で,第11病日に退院となり,2008年2月現在,再発を認めていない。