日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
傍ストーマヘルニアに伴う絞扼性イレウスの1例
梅邑 晃鈴木 龍児高屋 快谷村 武宏北村 道彦
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2008 年 28 巻 6 号 p. 855-859

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抄録

症例は80歳,男性。1972年に直腸癌のためMiles手術を施行,現在は慢性腎不全のために,外来にて血液透析を施行されている。2007年12月26日から腹痛が出現し,近医を受診し便秘と診断されたが,翌日も腹痛が持続するためイレウスの診断で入院となった。入院後も腹部所見の改善がなく,ストーマ周囲の膨隆と発赤が出現してきたため,傍ストーマヘルニアを疑い検査を施行した。腹部CT検査で,ストーマ近傍腹壁内に腸管の嵌頓を認めたため,緊急手術を施行した。小腸が絞扼されて壊死に陥っていたので,これを切除し吻合した。全身状態や汚染手術,腹腔内の癒着を考慮して,ヘルニア門の単純縫縮のみとし,ストーマのrelocationやメッシュによる修復は行わなかった。術後経過は良好で,再発もなく経過観察中である。傍ストーマヘルニア嵌頓症例の報告は本邦で11例とまれであるが,ストーマを有する急性腹症症例では,つねに傍ストーマヘルニア嵌頓を念頭におき,適切な外科的治療を選択する必要がある。

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© 2008 日本腹部救急医学会
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