日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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症例報告
MDCTで腸間膜血管の回転像が描出された小腸GIST軸捻転症の1例
星野 伸晃長谷川 洋白子 隆志坂本 英至小松 俊一郎久留宮 康浩法水 信治
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キーワード: 小腸GIST, 小腸軸捻転症
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2008 年 28 巻 7 号 p. 961-964

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抄録

症例は32歳女性。自然消退を繰り返す下腹部痛にて当院救急外来を受診した。腹部CTでは骨盤内に12cm×10cmの腫瘤を認め,腸間膜の捻転像が疑われた。MDCTではCTの所見に加えて,SMAを軸として腸間膜血管の回転像が明瞭に描出された。小腸腫瘍による軸捻転症と診断し手術を施行した。術中所見は空腸間膜側に腫瘍を認め,SMAを軸として時計回りに腸間膜が360度捻転していた。病理組織診断は小腸GIST,c-kit陽性,核分裂数7/50HPFであった。小腸GISTによる軸捻転症は極めてまれであり,本例ではMDCTにより特徴的な捻転像が得られ術前診断に有用であった。

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© 2008 日本腹部救急医学会
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