日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
術前診断しえた右傍十二指腸ヘルニア嵌頓と小腸軸捻転による絞扼性イレウスの1手術例
宇野 能子中島 紳太郎阿南 匡衛藤 謙小村 伸朗矢永 勝彦
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2014 年 34 巻 1 号 p. 127-132

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抄録

症例は48歳の女性で急激な腹痛を主訴に発症から2時間後に当院に搬送された。来院時,全腹部で腹膜刺激症状を認め,腹部造影CTで十二指腸水平脚の欠如と,右上腹部の前腎傍腔へ脱出する拡張腸管を有する囊状構造と上腸間膜静脈の左方移動を認めた。造影効果不良な小腸の広範な拡張も伴っており,右傍十二指腸ヘルニア嵌頓に合併した小腸軸捻転による絞扼性イレウスと診断して発症より5時間で緊急開腹術を行った。術中所見で下十二指腸窩をヘルニア門として空腸起始部より約50cm肛門側から90cmにわたる空腸が脱出しており,さらに小腸は約270度捻転していた。虚血に陥った範囲は嵌頓した小腸より肛門側190cmまでの全長260cmにわたっていた。壊死腸管を切除・吻合し,ヘルニア門を吸収糸で閉鎖して手術を終了した。以上,右傍十二指腸ヘルニア嵌頓と小腸軸捻転よる絞扼性イレウスの1手術例を経験したので報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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