日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:門脈ガス血症と腸管気腫症の治療─手術のタイミングを含めて─
門脈ガス血症・腸管気腫症20例の検討からまとめたフローチャート
杉本 聡鄭 賢樹島田 守李 喬遠高山 昇一竹原 寛樹岡 博史
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2014 年 34 巻 6 号 p. 1147-1151

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抄録

腹部救急の現場において,門脈ガス血症と腸管気腫症はCTの汎用にて発見頻度が増えている。しかし手術が必要で時に重篤な経過をたどるものがある一方で,保存的に加療可能な症例にも遭遇する。治療・予後に重要となるのは腸管壊死の有無である。対象は当院で経験した門脈ガス血症もしくは腸管気腫症20例で,受診時の身体所見・血液検査所見・画像診断についてまとめた。さらに腸管虚血群・腸管非虚血群の2群に分け,病態・血液検査所見について検討を行い,これらの結果を踏まえて当院で診療の際に役立ているフローチャートを提示した。診断に迷う際には腹腔鏡検査が侵襲も少なく適していると考えられた。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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