日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
左Spigelヘルニア嵌頓の1例
小池 佳勇水谷 哲之橋本 瑞生佐藤 文哉坂口 憲史
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キーワード: Spigelヘルニア, 嵌頓
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2014 年 34 巻 6 号 p. 1167-1170

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抄録

症例は89歳女性,前日夜からの左下腹部痛,嘔気,嘔吐を主訴に受診した。来院時,左下腹部に軽度の圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は認めず。腸炎として経過観察入院となった。翌日に症状が悪化したため腹部造影CTを施行した。左下腹部の菲薄化したSpigel腱膜に腸管が嵌頓し,その嵌頓部より口側の腸管拡張を認めた。Spigelヘルニア嵌頓による腸閉塞と診断し,同日に緊急手術を行った。開腹すると,腹直筋外縁のSpigel腱膜がヘルニア門となり,小腸の嵌頓を認めた。腸管壊死の所見は認めなかったため,腸管切除は行わず小腸を腹腔内に還納し,ヘルニア門を縫合閉鎖した。術後経過は良好で,術後6日目に退院となった。Spigelヘルニア嵌頓の一手術例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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