日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
MRSA敗血症の関与が考えられた漏出性胆汁性腹膜炎の1例
町田 智彦
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2015 年 35 巻 1 号 p. 097-102

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抄録

まれな胆汁漏出性腹膜炎の1例を報告する。症例は79歳,女性。穿孔性虫垂炎で回盲部切除術後にCV感染による菌血症をきたしたが,CV抜去後は軽快し,退院。CV先端の細菌培養でMRSAが検出された。退院後5日目より腰痛,微熱,腹痛を認め,当科外来を受診。腹部CTで腹壁膿瘍を伴う急性胆囊炎と診断し,翌日に手術を施行した。腹腔内は多量の胆汁性腹水を認め,胆囊は壊死し,壁は菲薄化していたが明らかな穿孔はみられなかった。手術は胆囊摘出術と腹腔ドレナージ術を施行した。腹水の細菌培養でMRSAが検出された。術後MRSA肺炎が発症したがVCMの点滴により軽快した。その後腰痛が持続し,精査にて化膿性椎体炎,椎間板炎と診断されたが,局所安静,VCM,LZDの点滴により軽快し得た。今回,MRSA敗血症の関与が考えられた壊死性無石胆囊炎による漏出性胆汁性腹膜炎の1例を経験したので報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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