日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
魚骨によるメッケル憩室穿通性腹膜炎の1例
牛田 雄太平松 聖史関 崇田中 寛田中 綾長谷部 圭史鈴木 優美尾崎 友理新井 利幸
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キーワード: メッケル憩室, 魚骨, 腹膜炎
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2015 年 35 巻 1 号 p. 103-106

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抄録

今回,われわれは,メッケル憩室への魚骨の迷入,穿通による急性腹膜炎の症例を経験した。症例は,34歳,男性。腹痛を主訴に当院の救急外来へ徒歩で受診した。腹膜刺激症状を認めたため,精査を行ったところ,腹部CT検査で,骨盤内に膿瘍の形成を認めた。また,近傍の小腸内に,石灰化した異物を認めた。以上より,異物による消化管穿孔,急性腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した。開腹すると,回腸に憩室を認め,同部位から魚骨が穿通し,腹腔内膿瘍が形成され腹膜炎をきたしていた。憩室を含め,小腸部分切除術を施行した。病理組織学的に,真性憩室であり,魚骨によるメッケル憩室穿通性腹膜炎と診断した。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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