日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
結腸魚骨穿通に対する腹腔鏡下手術後,遺残魚骨により膿瘍再発をきたした1例
佐藤 学遠藤 公人藪内 伸一宮地 智洋
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 36 巻 3 号 p. 605-608

詳細
抄録

側腹部痛で当科紹介受診となり,腹部CT上魚骨穿孔による腹壁膿瘍と診断され,腹腔鏡下魚骨除去,ドレナージ術を施行した。経過良好のため退院となったが,20病日より発熱,右側腹部痛が再燃し,腹部CTで腹壁膿瘍再発と魚骨遺残と診断した。開腹手術を行うも,明らかな魚骨を同定できなかったことから膿瘍壁切除とドレナージを施行した。術後経過は良好で術後に施行したCTでも遺残魚骨,膿瘍は認められなかった。魚骨穿孔(穿通)の治療方針として,魚骨の完全除去が最も重要であると考えられた。

著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top