2016 年 36 巻 3 号 p. 605-608
側腹部痛で当科紹介受診となり,腹部CT上魚骨穿孔による腹壁膿瘍と診断され,腹腔鏡下魚骨除去,ドレナージ術を施行した。経過良好のため退院となったが,20病日より発熱,右側腹部痛が再燃し,腹部CTで腹壁膿瘍再発と魚骨遺残と診断した。開腹手術を行うも,明らかな魚骨を同定できなかったことから膿瘍壁切除とドレナージを施行した。術後経過は良好で術後に施行したCTでも遺残魚骨,膿瘍は認められなかった。魚骨穿孔(穿通)の治療方針として,魚骨の完全除去が最も重要であると考えられた。