日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
原著
一般市中病院における腹腔鏡下虫垂切除術の標準化と工夫
遠藤 泰岸 真也大山 隆史星川 竜彦仲丸 誠諸角 強英
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 36 巻 7 号 p. 1167-1172

詳細
抄録

緒言:腹腔鏡下虫垂切除術は開腹手術に比べて,鏡視下手術用の器材一式が必要となるなど煩雑な点が欠点とされてきた。Simple is bestの考えに基づいた手技の定型化を図り,2013年より原則全例に腹腔鏡下手術を導入した。手術手技:術者;若手外科医,助手;指導医の2名。臍部12mm,下腹部正中および右上腹部から5mmポートを挿入する3孔式。虫垂根部の処理はEndoloopでの結紮後に超音波凝固切開装置で切離。この方法は,Simpleな方法をとりいかなる症例に対しても対応できる手術手技であると考えられる。更なる工夫として切除虫垂の回収は独自に考案した糸付き回収袋の使用,カテーテルチップと5mmポートを利用した洗浄法により短時間での大量洗浄が可能となった。まとめ:腹腔鏡下虫垂切除を通常設備しかもたない一般市中病院でも容易な術式とする工夫を考案して導入した。

著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top