日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔内遊離ガスを呈した子宮留膿腫穿孔性腹膜炎の1例
近藤 優石川 衛森 美樹宮本 康二
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2016 年 36 巻 7 号 p. 1219-1222

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抄録

症例は80歳女性,3経産婦。数日前より発熱,食欲不振が出現したため前医でCT施行,消化管穿孔と診断され当院へ救急搬送された。当院の腹部単純CTでも腹腔内遊離ガスを認め,子宮内腔に少量のガスおよび液体が充満していたことから子宮穿孔もしくは消化管穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。開腹すると子宮底に20mmと30mm大の穿孔部を2ヵ所認めたため子宮腟上部切除術,腹腔洗浄ドレナージ術を施行した。病理結果では腫瘍性病変・悪性所見は認めなかった。腹水培養からは嫌気性菌が検出された。術後は人工呼吸管理とし,術後3日目にはacute respiratory distress syndrome(急性呼吸窮迫症候群:以下, ARDS)を発症した。全身状態は徐々に悪化し腎不全のため術後15日目に死亡した。腹腔内遊離ガスを呈した子宮留膿腫による穿孔性腹膜炎の1例を経験したので報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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