日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
膿瘍形成をきたした直腸間膜脂肪織炎の1例
梶岡 裕紀岩川 和秀
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キーワード: 腸間膜脂肪織炎, 直腸, 膿瘍
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2016 年 36 巻 7 号 p. 1231-1234

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抄録

腸間膜脂肪織炎は非特異的炎症性疾患で予後良好な疾患である。今回,われわれは膿瘍形成をきたした直腸間膜脂肪織炎の1例を経験したので報告する。症例は41歳の女性で下腹部痛を主訴に近医を受診し,炎症反応の高値と造影CTで直腸背側に膿瘍を認めたため,当院紹介受診となった。膿瘍形成の原因は不明であったが,腹膜刺激症状を認めたことや炎症反応高値であることから緊急ドレナージの適応と判断し,手術の方針とした。開腹所見では子宮付属器には異常を認めなかったが,直腸の浮腫と直腸間膜に限局した脂肪織炎,さらに挙筋上腔に液体貯留を認めたため,これをドレナージした。現在術後7ヵ月経過しているが,再燃は認めていない。高度な炎症反応を伴う腸間膜脂肪織炎の場合には膿瘍形成する場合があるため,注意が必要である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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