日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
大網裂孔ヘルニアによる絞扼性イレウスの1例
島田 和典
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 36 巻 7 号 p. 1235-1238

詳細
抄録

症例は75歳,男性。腹痛のため前医に入院となったが,症状が増悪したため当院に転院となった。開腹手術の既往はなく,腹部CT検査で多量の腹水,広範囲に拡張した小腸,腸間膜の集束像を認めたため,内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した。手術所見では,大網の右側に異常裂孔を認め,小腸が裂孔部で絞扼され約200cmにわたり 壊死していた。大網裂孔を開放した後,壊死腸管に対して小腸切除術を行った。術後の経過は良好であった。内ヘルニアのなかでも大網裂孔ヘルニアはまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する。

著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top