日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
経皮的ドレナージと経腸栄養による保存的治療で改善した十二指腸瘻の2例
佐藤 純工藤 克昌前田 晋平唐澤 秀明田中 直樹青木 豪大沼 忍武者 宏昭川崎 修平小野 智之廣澤 貴志元井 冬彦内藤 剛海野 倫明
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2017 年 37 巻 1 号 p. 069-074

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抄録

経皮的ドレナージと経腸栄養による保存的治療で改善した十二指腸瘻の2例を経験した。症例1は78歳男性。十二指腸潰瘍穿孔による後腹膜膿瘍のため前医で保存的治療を行うも改善を認めず,加療目的に当院転院となった。症例2は40歳女性。乗用車同士の交通外傷で受傷し,他院で外傷性十二指腸穿孔と診断され十二指腸縫合閉鎖術,大網充填術を施行した。術後十二指腸瘻となり,保存的治療で炎症は沈静化したが瘻孔は残存し当院転院となった。2例とも経皮的ドレナージのうえ,経鼻的に経腸栄養チューブを瘻孔部肛門側まで誘導して経腸栄養を施行した。栄養状態の改善に伴い瘻孔の閉鎖と膿瘍縮小を認め,保存的治療で改善した。上部消化管瘻の症例は瘻孔部肛門側へ誘導した経腸栄養チューブによる経腸栄養が可能である。耐術困難な全身状態不良症例,手術侵襲が過大となる症例では,経皮的ドレナージを併用した栄養療法は選択肢の1つとなり得る。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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