日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
乾燥くらげが原因で発症した食餌性腸閉塞の1例
高野 靖大飯野 年男久保 寿朗矢永 勝彦
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2017 年 37 巻 3 号 p. 443-447

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抄録

症例は53歳,女性。2015年8月,起床時より心窩部不快感を自覚し,腹痛,嘔吐が出現したため当院救急外来を受診した。来院時,心窩部に圧痛,筋性防御,反跳痛を認めた。腹部CT検査では空腸内に泡沫状の低吸収域を認め,その口側腸管の拡張を認めた。腹膜刺激症状を認めたため,絞扼性腸閉塞を疑い緊急手術を施行した。開腹所見ではTreitz靭帯より140cmの空腸に移動性の内容物を触知し,その口側腸管は拡張していた。同部位空腸に小切開を加え,内容物を除去したところ膨張した乾燥くらげであった。術後経過は良好で,第10病日に退院となった。乾燥くらげが原因である食餌性腸閉塞は極めてまれであり報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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