日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡手術を行った子宮広間膜裂孔ヘルニアの1例
広本 昌裕村上 雅彦加藤 博久新谷 隆小池 礼子佐藤 篤長谷川 智行渡辺 誠大塚 耕司青木 武士
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2017 年 37 巻 3 号 p. 493-496

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抄録

症例は44歳女性。嘔吐と下腹部痛を主訴に当院受診した。初診時,腹部造影CTで骨盤内に拡張した小腸と右側に偏位した子宮を認めた。イレウス管による減圧を図ったが症状の改善を認めなかった。イレウス管造影後に腹部単純CTを施行したところ,子宮左側の小腸に狭窄を認め,左子宮広間膜裂孔ヘルニアと診断し腹腔鏡下に手術施行した。左子宮広間膜に生じた約3cm大の裂孔に,回腸末端より約120cmの回腸が約10cmにわたり陥入していた。嵌入腸管の血流および漿膜面の色調は良好で切除の必要性はなく,左子宮広間膜裂孔を吸収糸で縫合閉鎖した。術後経過良好で術後5日目に退院となった。今回,比較的まれな子宮広間膜裂孔ヘルニアの1例を経験した。腸管減圧後の腹腔鏡手術は低侵襲で有用であると考えられた。若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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