日本腹部救急医学会雑誌
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原著
当院の小児虫垂炎の画像診断における医療被曝低減
河崎 正裕
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キーワード: 虫垂炎, CT, 超音波検査, 小児
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2017 年 37 巻 6 号 p. 831-835

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抄録

【目的】医療被曝低減を図るため当院の急性虫垂炎における画像診断の実施状況を調査した。【対象および方法】2006年1月から2015年12月までの15歳以下の急性虫垂炎例(以下,AA)またはAAが疑われCTを施行した例を集計し画像診断の選択を診察医別に解析した。また医療被曝のリスクに関する医師の意識調査を実施した。【結果】対象患者136例中83例は最初に超音波検査(以下,US)が施行され,うち34例でCTが追加された。残り53例は最初にCTが施行された。AAの93例のうち49例はUSで,44例はCTで診断された。小児外科医は全例USを,内科系医はCTを選択していた。医療被曝リスクについての意識調査では内科系医の認識度が低かった。【考察】当院ではAA診断時,USを先行させればCTを必要としない例が少なくないと考えられる。そのためには診察医のUS診断技術の向上,また被曝リスクの周知を図る必要がある。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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