2017 年 37 巻 6 号 p. 859-863
【対象と方法】2014年4月~2015年8月まで消化器症状で緊急入院した患者を対象に患者背景,臨床症状,疾患,治療について検討した。【結果】消化器症状での緊急入院は183例で,年齢15歳~97歳,平均65歳で,男女比88:95であった。腹痛が70例と最も多く,貧血,血便,食思不振,下血,下痢,嘔吐,吐血と続いた。疾患は胃癌18例,大腸癌13例,急性膵炎12例,腸閉塞11例,虚血性腸炎11例,胃潰瘍10例,総胆管結石6例,大腸憩室炎6例,食道癌4例,胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)4例で,急性膵炎,腸閉塞,虚血性腸炎,胃潰瘍,大腸憩室炎,GAVE,総胆管結石は当科で治療した。胃癌,食道癌,大腸癌はガイドラインに準じて内視鏡治療適応病変に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術を行った。外科的治療や化学療法が必要な症例は当院外科または国際医療センター消化器外科に紹介した。【結語】消化管疾患を中心に診断から治療まで行い,あらゆる内視鏡検査,治療に対応した。