日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡補助下手術が診断・治療に有用であった小腸間膜膿瘍の1例
佐藤 拓也梁 英樹吉田 一成山下 由紀白井 雄史
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2018 年 38 巻 1 号 p. 123-127

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抄録

症例は76歳,女性。2週間ほど持続する発熱・腹痛を主訴に受診。腹部造影CTで骨盤内右側に膿瘍を疑う所見を認め,精査加療目的で入院した。まず絶食,抗生剤による加療を行った。入院後に施行したMRI,単純CTで膿瘍の部位として小腸間膜が疑われた。症状はやや改善し食事を開始したが,毎食後に腹痛が発生した。膿瘍も残存しており入院後第12日目に腹腔鏡補助下手術を施行した。腹腔鏡の所見で,回盲弁より15cmほど口側の回腸腸間膜内に膿瘍を疑う所見を認めた。腹腔鏡下で回盲部を授動して,右側腹部のおよそ4cmの皮膚切開で回盲部切除術を施行した。術後経過は良好で術後第11日目に退院した。病理検索において膿瘍の原因は特定できなかった。術前検査で部位の特定が困難な骨盤内膿瘍に対して腹腔鏡補助下手術は診断・治療において有用であった。

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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