日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腸閉塞を呈した単純性潰瘍の1例
大石 海道吉田 一也藤井 敏之池田 昭彦
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2018 年 38 巻 3 号 p. 599-601

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抄録

要旨:77歳,男性。腹痛で救急搬送された。腹部CTで回腸末端部に限局性の壁肥厚を認め,それより口側の拡張と肛門側の虚脱を認めた。イレウス管を挿入後,点滴加療を行い,腹部症状は軽快した。入院6日目にイレウス管造影を施行したところ,回腸末端部に限局性の内腔狭窄部位を認めた。造影剤の通過は良好であったため,イレウス管を抜去し,入院8日目から食事を開始した。しかし,腸閉塞の再発を認めたため,入院12日目に小腸切除術を施行した。回盲弁から約10cm口側の回腸狭窄部位を切除した。術後経過は良好で術後3日目より食事を開始し,術後9日目に退院した。切除標本では,単発,円形の深掘れ潰瘍と内腔狭窄を認めたが,病理組織学的には特異的な所見は認めなかった。既往歴,服薬歴,臨床像から原因は不明であり,病理所見からも特異的所見は認めず,また,その肉眼像などの特徴から,単純性潰瘍に分類された。

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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