日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:高齢者腹部救急:治療の問題点
高齢者における播種性血管内凝固症候群(DIC)合併急性胆管炎に対するリコンビナントトロンボモジュリン製剤の有用性
後藤 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 39 巻 6 号 p. 1043-1047

詳細
抄録

急性胆管炎は胆道ドレナージによりすみやかに改善する場合が多いが,重篤化すると敗血症から播種性血管内凝固症候群(以下,DIC)に至り胆道ドレナージのみでは改善しない。とくに高齢者ではこの傾向が高い。2008年5月よりDICの新規治療薬としてリコンビナントトロンボモジュリン製剤(以下,rTM)が本邦で使用されており,DICを合併した急性胆管炎に対するrTMの有用性を検討した。2011年4月から2018年2月に緊急胆道ドレナージを施行したDIC合併急性胆管炎を有する高齢者のうちrTMを投与した19例(rTM群)を対象とし,rTM導入以前の16例(対照群)と比較検討した。両群で患者背景に有意差は認めなかった。DICスコアは5日目まで両群間に有意差はなかったが,7日目以降はrTM群で2.1±1.4,対照群で3.6±1.6とrTM群で有意に低値であった。5日目のDIC離脱率はrTM群が89.5%,対照群が56.3%とrTM群で有意に高率であった。28日目での生存率はrTM群で94.7%,対照群で81.3%と有意差はなかったが,rTM群ではDIC増悪による死亡は認めなかった。rTMは高齢者においてもDIC合併急性胆管炎からの早期離脱,全身状態改善に有効と考える。

著者関連情報
© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top