2019 年 39 巻 6 号 p. 1049-1052
症例は95歳,女性。1週間前より持続する食思不振,嘔吐を主訴に当院を受診した。原因不明の腸閉塞と診断され,保存的治療の方針となった。胃管留置で改善を認めず8日目に精査目的でダブルバルーン小腸内視鏡が施行された。内視鏡検査中に医原性穿孔が疑われ,同日緊急手術を施行した。術中所見では横行結腸左側部位に大網形成不全を認め同部位から網囊内に空腸が50cm程度嵌入をきたし,さらに小網に存在した直径約2cmの異常裂孔より脱出,内ヘルニアを呈していた。ヘルニアを解除し検索すると,Treitz靭帯から肛門側約20cmの部位に穿孔を認めた。穿孔部縫合閉鎖,異常裂孔閉鎖および腸瘻造設を施行し手術を終えた。小網裂孔ヘルニアはまれであり,文献的考察を加え報告する。