日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
軽微な症状で発見された中腸軸捻を伴う成人逆回転型腸回転異常症の1例
甲斐田 大資金 了資西木 久史三浦 聖子宮田 隆司宮下 知治上田 順彦高村 博之
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2021 年 41 巻 4 号 p. 265-268

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抄録

症例は26歳,男性。幼少期より食事時の早期腹満感を認め食事量が少なく,痩せ型であった。食後の軽微な間欠的上腹部痛を認めたため近医を受診した。CTで腸回転異常症に伴う中腸軸捻と診断され当院紹介受診となる。初診時より腸閉塞所見や腸管虚血は伴わず,当院受診時も無症状であったため症状発症から10日後に待機的治療を施行した。逆回転型の腸回転異常を認め,時計回り540°に中腸軸捻を生じていた。捻転を解除し,小腸結腸間膜間の癒着をSMA基部まで剝離,予防的虫垂切除を行い小腸は腹腔の右側・結腸は左側に収め固定は施行せず終了した。経過は良好で,術後7日目に退院とした。成人腸回転異常症のなかで,中腸軸捻をきたした症例は急性腹症を伴うことが多いが,自験例のように中腸軸捻を伴っていたにもかかわらず,待機的手術が選択された症例はまれであり,当疾患の分類や特徴に関して若干の文献的考察を加えて報告する。

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© 2021, Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
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