日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
結腸瘻を形成した尿膜管感染の1例
大西 紘平桒原 聖実杢野 泰司松原 秀雄宇治 誠人
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キーワード: 尿膜管, 横行結腸, 瘻孔
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2022 年 42 巻 7 号 p. 733-736

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抄録

症例は57歳,女性。10年以上前より臍からの液体の漏出を認めていた。1ヵ月前より臍周囲の疼痛と食思不振が出現し,その後徐々に増悪したため当院受診した。臍に皮膚びらんを認め,びらんの中心部から便臭を伴う少量の混濁排液を認めた。腹部CTでは臍から横行結腸,膀胱頂部に連続する低吸収域を認め,尿中に便の混入を認めた。臍から瘻孔造影を行ったところ,横行結腸と膀胱が造影されたため,横行結腸瘻を形成した尿膜管感染と診断した。便路変更目的に回腸人工肛門造設術と,開腹洗浄ドレナージを行った。臍の症状は改善したため,術後第17病日に退院となった。3年後,臍からの排液を再度認めた。腹部CTおよび臍からの瘻孔造影で臍結腸瘻の再発と診断した。瘻孔を含めた右半結腸切除術を施行し,その後人工肛門閉鎖術を行った。術後3年の現在,症状の再燃なく健在である。

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© 2022 日本腹部救急医学会
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