日本腹部救急医学会雑誌
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左側大腸イレウス, 穿孔例に対する一期的吻合と鏡視下手術の応用
池田 英二辻 尚志古谷 四郎市原 周治高木 章司鶴見 哲也
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2004 年 24 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

左側大腸イレウス, 穿孔例に対する一期的吻合と鏡視下手術について検討した. 対象は2001年7月から2003年3月までの18例で4例に緊急手術, 11例に経口, 経肛門的減圧後準緊急手術を行い, 残り3例は術前保存的治療無効例であった. 患者希望, 全身状態などを考慮し11例に一期的吻合, 7例に人工肛門造設を行った. 両群間で病変部位, 術前合併症に差はなく, 人工肛門群で有意に高齢であった. 術後合併症発生は吻合群で小腸壊死と縫合不全各1例, 人工肛門群で創感染1例であった. 腹腔鏡補助は非イレウス例での適応に加え, 術前減圧でき患者が希望した場合を適応とし5例に行った. 1例は開腹コンバートしたが, 腹腔鏡に関連した合併症はなかった. 左側大腸イレウス例であっても縫合不全率は非イレウス非穿孔例と差はなく術前, 術中減圧などで安全に一期的吻合できると思われる. 術前減圧可能であれば腹腔鏡下手術を応用し侵襲軽減も期待できる.

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