日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
リアルタイムPCR法によるCandida血症の診断
吉田 祐一炭山 嘉伸草地 信也有馬 陽一田中 英則中村 陽一浦松 雅史長尾 二郎柁原 宏久斉田 芳久
著者情報
キーワード: カンジダ症, 真菌血症, 診断
ジャーナル フリー

2004 年 24 巻 1 号 p. 43-48

詳細
抄録

カンジダのPCR検査法としては, DNAの検査とRNAの検査があるが, DNAが型別分析に用いられる一方で, RNAの検出がカンジダ血症の診断に用いられている. RNAの検出法は, reverse transcription PCRであるが, リアルタイムPCR法は光学的自動処理を行い電気泳動を要さない. 深在性真菌症を疑う患者では, 培養法による真菌検出は困難であるが, PCR法は検出率は高い. しかし, 深在性真菌症の確定診断が困難であるため, PCR法の診断意義は疑診例における補助診断にとどまっている. 英国抗菌化学療法協会ガイドラインや米国感染症学会ガイドラインでは, 疑診例における経験的治療の適用やエビデンスの質が評価されている. 我が国のガイドラインでは, 外科領域において深在性真菌症患者を, 確定診断・臨床診断例・真菌症疑い例に分類しているが, 救急・集中治療領域においては深在性真菌症は確固たる診断法がないとしている.

著者関連情報
© 日本腹部救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top