日本腹部救急医学会雑誌
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カンジダ保菌患者におけるempiric therapy開始基準
香山 茂平竹末 芳生大毛 宏喜
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2004 年 24 巻 1 号 p. 67-71

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抄録

真菌症治療開始の指標として, 現在カンジダ監視培養や血清学的診断が用いられている. β-D-グルカンのcutoff値はfungitec Gtest (生化学工業) において20pg/mlとされているが, 偽陽性が問題となっている. 今回カンジダ保菌患者における真菌症への治療開始基準としてのβ-D-グルカンのcutoff値について検討した. 抗菌薬不応性発熱を呈するカンジダ保菌の術後患者64例に, 血清β-D-グルカン測定を行い, fluconazoleによる治療効果を検討した. 治療の奏功率は28%であった. 患者背景では抗細菌薬使用期問のみが有効性に影響し, non-albicans Candida保菌は有意でなかった. β-D-グルカンのcuto狂値を20pg/mlとした場合, φ=0.42で広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御医科学講座外科学有意の相関を示し, predicti vevalue (PV) は陽性47%, 陰性91%でefficiencyは69%あった. 多変量回帰分析でオッズ比は13倍であった. cutoff値を5pg/mlごとに7段階に分類したところ, 最も高い相関係数は40pg/mlで得られ (φ=0.61), PVは陽性72%, 陰性89%でefficiencyは84%であった. カンジダ保菌患者においてβ-D-グルカンのcutoff値を40pg/mlとした場合, 最も良好なclinicalvalueが得られた.

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