日本腹部救急医学会雑誌
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腹部救急疾患に対する低侵襲手術
合併症回避のためのendoscopic IVR surgery
近森 文夫国吉 宣俊鍵山 惣一国吉 和重河島 孝彦高瀬 靖広
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2006 年 26 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

われわれは腹部救急疾患に対しても積極的に腹腔鏡下手術を適用してきたが, 安全性を確保でき, 合併症を回避できる手技工夫, とくに急性胆道炎に対するendoscopic IVR surgeryとして有症状胆嚢胆管結石に対する経皮的乳頭バルーン拡張術 (PPBD) 併用腹腔鏡下胆嚢摘出術 (LC) および急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージ (PTGBD) 先行LCにっき報告する. PPBD併用LC前期17例はPPBDによる除石2~7日後にLCを施行, 後期45例は全身麻酔下に筋弛緩剤投与後にLCと同時に一期的にPPBDを施行. PTGBD後LCは56例に, PTGBD後1~7日目に全身および局所状態改善後に施行した. PPBD併用LCは61例で胆管結石の除石が可能であった. 手術時間は84±22分, 術後入院期間は11±3日であった. PTGBD先行LCの術中胆管造影成功率は98%, 開腹移行率は5%, 手術時間は92±27分, 術後入院期間は9±3日であった. 急性胆道炎はendoscopic IVR surgeryなるコンセプトにより合理的で安全に治療可能となる.

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