日本腹部救急医学会雑誌
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保存的治療が可能であった切除不能胃癌穿孔の1例
中村 陽一長尾 二郎斉田 芳久中村 寧片桐 美和渡邉 学草地 信也炭山 嘉伸
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キーワード: 胃癌, 穿孔, 切除不能
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2006 年 26 巻 1 号 p. 97-100

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抄録

胃癌穿孔は緊急手術を必要とし, 腹膜炎に対する救命と癌に対する根治的治療が求められる場合もある. 切除不能胃癌と診断し, S-1による経口化学療法施行中に胃癌穿孔を認め, 保存的治療を行ったところ穿孔部が自然閉鎖した症例を経験した. 症例は74歳, 男性. 切除不能胃癌と診断しS-1による化学療法中に腹痛で緊急入院した. 腹部レントゲンにて胃拡張を認め, 胃管を挿入し減圧を行った. 幽門狭窄を生じているものと考え, 水溶性造影剤による造影検査を行ったところ穿孔が証明された. 上腹部の自発痛を認めるが, 腹膜刺激症状は伴わず, 穿孔に対しては保存的加療を選択した. 胃管, 抗潰瘍剤, 抗菌薬, 抗真菌剤投与を行い, 3週間後に穿孔部は閉鎖した.

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