2012 年 19 巻 1 号 p. 25-34
電子教科書の導入が検討されるなど、学校教育のデジタル化は一層加速しているが、学校現場ではメディア・リテラシーが依然体系的に行われていない。今後プログラムが教師に信頼されるものになるためにも、その効果を検証する必要がある。そこで本研究では、効果を検証することに着目し、小規模・短時間、長期的なカリキュラム、同一教材「Channel One」この3つのカテゴリーで、実際に学校現場で行われた海外のプログラムを検討した。その結果、メディア・リテラシーのプログラムには「意識変容の調査」、「社会・文化的背景の理解につながる教材」、「統一された指導法の確立」が必要であることがわかった。これまで国内では、授業実践の報告だけに終わり、その効果を検証するケースは少なかったと言える。国内でメディア・リテラシーを普及させるためには、検証を行い、その効果を客観的に示すことが今後さらに求められる。