教育メディア研究
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非同期型eラーニングにおける中高生の調整学習の特徴の分析
荒木 貴之齋藤 玲堀田 龍也
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 23 巻 2 号 p. 1-14

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抄録

非同期型eラーニングで協働学習に取り組む中学生と高校生を対象に,学習形態や学習経験,学習者の心理特性が調整学習に与える影響について検討した。調査で用いたeラーニング自己調整学習尺度は,先行研究と同様の因子構造が再現され,概ね信頼性が認められた。学習形態では,相互評価活動に取り組むことにより調整学習を促進する可能性が示された。その際,学習ログとパーソナリティとの間には有意な相関が認められた。学習経験では,初心者は調整学習とパーソナリティとの間に,経験者は調整学習と認知欲求との間に,それぞれ有意な相関が認められ,学習経験の違いによる調整学習の特徴が見出された。中学生と高校生とをペアにした共調整学習では,中学生の学習ログの総語数は,ペアを組んだ相手の高校生の心理特性や交流方略等との間に有意な相関が認められた。これらの結果は,今後中高生のeラーニング研究を進める上で一つの視座となると考えられる。

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