2017 年 23 巻 2 号 p. 47-56
本研究では,市内全学校に児童・生徒用1人1台のタブレット端末を導入した自治体を対象に,導入期におけるタブレット端末をはじめとするICTの活用実態や,タブレット端末に対する印象について,校種の異同を明らかにするため,A市(人口3万7000名程度)の小学校13校と中学校5校に勤務する教師(授業担当者195名)を対象とし,調査を行った。その結果,小学校教員のほうが,中学校教員よりもタブレット端末をより活用しようとしていること,小学校教員のほうが中学校教員よりも教師のICT活用について取り組んでいること,児童・生徒によるICT活用は,教師によるICT活用よりも相対的に進んでいないこと,タブレット端末の活用について,小学校教員よりも中学校教員のほうが利用に対して大きな負担を感じていること,などが明らかとなった。