2017 年 24 巻 1 号 p. 1-12
本研究は,ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシーを育成する単元を開発し,その教育効果について検討した結果を報告するものである。本単元は,「ソーシャルメディア時代のメディア・リテラシーの構成要素」に基づき学習目標と学習活動を構成した。本単元の特徴は,「学級内に限定された教育用SNSを活用したクラスメイトとの交流」と「SNSの特性やあり方について考える授業」を並行して行うことにある。SNSを活用した自分たちの交流で生じた現象を題材とした議論を行うことで実感を伴う学習が可能になると考えた。本単元に基づく実証実践を行い,学習活動の成果を評価するためにSNS活用のログ分析,質問紙調査,ワークシートの分析を行った。その結果,本単元で設定したほとんどの学習目標において能力の向上を確認することができた。