教育メディア研究
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画像の性質の違いが物語理解に与える影響について : インターネット上で動作可能な日本語教材開発のための基礎研究
池田 伸子
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1998 年 5 巻 1 号 p. 9-22

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抄録
本研究は、インターネット上で動作可能な日本語マルチメディア教材を開発するための基礎研究として行ったもので、日本昔話を素材としたマルチメディア教材による学習において、教材中の画像の性質の違いがどのように学習者の物語理解および物語再生能力に影響を与えるのかについて検証したものである。58名の初級日本語学習者を被験者として行った実験の結果、画像は学習者の物語理解・物語再生両者を促進することが明らかになった。しかし、物語理解においては、必ずしも動画がある一定基準を満たした静止画より効果を持つわけではなく、物語の展開において重要な画像を抽出して提示した場合のほうが効果的であること、物語再生においては、静止画よりも動画のほうが効果的であることが明らかになった。従って、インターネット上で動作可能な教材を作成する際には、教材の目標によって、組み込む画像の性質を決定していく必要があることがわかった。
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© 1998 日本教育メディア学会
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