教育メディア研究
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異文化間理解教育の可能性を探る : BBC EDUCATION「JAPAN 2000」を用いて
小山 敏子加藤 友香出口 尚子
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ジャーナル オープンアクセス

2002 年 9 巻 1 号 p. 11-21

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抄録

近年、全国各地の小・中学校では、「総合的な学習の時間」を活用して「異文化間理解教育」がさかんに行われるようになってきている。ともすれば「異文化間理解教育」は「語学教育」と捉えられがちであるが、この教育の本来の目的は、自国の文化を知り、異文化圏の人々にそれを正しく伝えたり、また、異文化圏の人々から自分たちがどのように見られているかを正しく認識することだと言えよう。本研究では、BBC EDUCATION 「JAPAN2000」を用いて、この番組の随所に見られる「外からの視点」に注目し、番組視聴後、被験者がその視点を正しく認識できたかどうか、また、番組からどのようなイメージを形成したかを調べた。その結果、被験者全体における質問紙の正答率は高く、イメージマップの結果と合わせても、年齢による発達の違いからくる有意差はほとんど見られなかった。そして、このような異文化圏で制作された映像番組が、今後の「異文化間理解教育」に使用できる可能性を示唆する結果となった。

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© 2002 日本教育メディア学会
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