今年で設立20年の日本救急看護学会は、今後の活動の方向性を検討するため日本救急看護活動に対するニーズを把握することを目的に調査を実施した。 回答者は104名で、「社員」55.8%、「会員」34.6%、臨床経験は「20年以上25年未満」が31.7%、救急領域経験は「15年以上20年未満」が20.2%ともっとも多く、臨床経験年数および救急領域経験年数が比較的多かった。 開催中セミナーで興味あるテーマは「看護倫理」、今後開催を希望するテーマは「意思決定支援」がもっとも多かった。興味関心は、生命維持に直結した看護実践よりも、難渋した「看護倫理」や「意思決定支援」等であったと考える。 看護研究セミナーは、データの分析方法でニーズが多かった。研究助成申請は「機会があれば申請してみたい」や「申請したいが自力では申請は難しい」、申請の困難さの理由は「申請手続きがわからない」や「研究計画書が作成できない」が多く、効果的な広報活動と継続的な研究支援の必要性が示唆された。回答者が認識している研究活動の困難性は、回答者は研究プロセス全般に対する困難さを感じており、より丁寧に研究活動を支援していく必要がある。2018年度から研究助成申請は、初心者・上級者コースで行っており、会員のニーズに合致していた。 また、社員会員学習会で取り上げてほしいテーマは、「看護教育」「チーム医療」の順で多く、看護だけでなく救急医療チームの能力向上に関連するテーマが注目されていた。