選挙研究
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イタリアにおける選挙運動規制の現状とその問題点
テレビによる選挙運動を中心に
芦田 淳
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2009 年 25 巻 1 号 p. 119-129

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抄録

本稿の目的は,イタリアにおける選挙運動規制が,戦後どのように発展し,現在どのような問題を抱えているかについて,実際の選挙戦も踏まえながら検討することである。具体的には,第一に,選挙運動自体が,とりわけ1990年代以降,二大政治陣営の一方のリーダーが主要民間放送局を支配するという「異常な」状況の下,選挙制度改革とマスメディアの発達により,どのように変化したかを確認する。第二に,こうした背景を踏まえ,テレビを使用した選挙運動に対する近年の規制(2000年法律第28号等)を中心に,戦後の選挙運動規制の発展に沿って,それぞれの特色と問題点を整理する。第三に,現行規制下で2006年と2008年に行われた総選挙における実際の選挙運動とその結果を比較検討する。最後に,これらを総合し,当該規制が選挙運動に与えた影響及び問題点を確認して,その有効性を検討する。

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© 2009 日本選挙学会
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