選挙研究
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投票率の変化をもたらす要因
投票参加の時系列分析
飯田 健
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 25 巻 2 号 p. 107-118

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抄録
これまでの投票参加に関する研究においては,問題の本質が投票率の「低下」という変化にあるにもかかわらず,結局のところ「誰が投票するのか」という極めて記述的な問いに対する答えが与えられてきた。それらは基本的に,クロスセクショナルなバリエーションから,時間的なバリエーションを説明しようとするものであり,「なぜ人は投票するようになる(しなくなる)のか」という変化について直接説明するものではなかった。本研究ではこうした現状を踏まえ,衆議院選挙,参議院選挙,そして統一地方選挙における投票率という三つの時系列から “recursive dyadic dominance method” を用いて「投票参加レベル」を表す年次データを構築し,それを従属変数とする時系列分析を行う。またその際,失業率,消費者物価指数,与野党伯仲度などを独立変数とする時変パラメータを組み込んだARFIMAモデルを用いることで,時代によって異なる変化の要因を検証する。
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© 2010 日本選挙学会
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