選挙研究
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2009年政権交代の長期的・短期的背景
谷口 尚子
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2011 年 26 巻 2 号 p. 15-28

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抄録

本稿は,2009年衆院選後に起きた政権交代の長期的背景を自民党の衰退,短期的背景を民主党の成長と捉え,その過程と特徴を記述するものである。前者に関しては,Merrill, Grofman, & Brunell (2008) によって挙げられた政治再編の4つの特徴,すなわち①政党制の変化,②有権者の政党支持構造の変化,③政党支持構造の地理的変化,④政党間競争の質的変化を追った。①②③いずれにおいても,自民党の優位性と支持構造の揺らぎは明らかであり,概ね,1980年代に安定期,90年代に動揺期,2000年代に変動期が観察された。民主党の成長に関しては,自民党と政策位置の変化を比較し,また党内の政策的分散の大きさを示した。政策的分散を「多様性」と積極的に解釈すれば,これが多様な有権者の票を獲得することに繋がった可能性も示された。

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© 2011 日本選挙学会
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