選挙研究
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イギリスにおける選挙制度改革の政治
阪野 智一
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 31 巻 1 号 p. 5-18

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抄録

選挙制度を独立変数として,政党システムや政党内組織への帰結を問題にするこれまでの選挙制度の研究に対して,近年,選挙制度を従属変数と位置づけ,選挙制度の成立や改革に焦点をあてる研究が進展している。本稿では,「選挙制度改革の政治」の事例研究として,ブレア政権による選挙制度改革とキャメロン政権下で実施された2011年国民投票を取り上げる。1990年代以降,労働党に有利な「党派的バイアス」が作用していたことを踏まえると,選挙制度改革に関するシューガート・モデルは適用しにくい。両者とも政党内政治と政党間政治の妥協の産物であることを明らかにする。地方分権化に伴いサブナショナルなレベルで多様な選挙制度が導入されている一方,ナショナルなレベルでは小選挙区制への支持が依然として根強い。ブレア政権以降のイギリスの民主政は,「二元的憲法体制」としての特徴を強めつつあることを指摘する。

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© 2015 日本選挙学会
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